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臓器移植とは?
臓器移植法
正式には、「臓器の移植に関する法律」といいます。平成9年10月16日に施行されました。 この法律の施行により、脳死下臓器移植のための臓器提供の場合に限り、脳死を人の死とし、脳死状態での臓器の移植が可能となりました。それ以前にも、心停止後の腎臓移植や角膜移植が行なわれていましたが、心臓や肝臓、肺などの臓器が重度の病気になられた患者さんは、移植を希望しても海外で移植をするしかなく、外国人枠の恩恵に授かる人の数はわずかであるのが現状でした。「臓器の移植に関する法律」では、臓器提供の際の要件を脳死、心臓死ともに定めています。このことにより、日本国内でも脳死の方からの心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸などの移植が法律上可能になりました。
また、平成22年1月には臓器を提供する意思表示に併せて、親族に対し臓器を優先的に提供する意思を書面により表示ができるようになり、同年7月からは本人の臓器提供の意思が不明な場合も、家族の承諾があれば臓器提供ができるようになりました。これにより15歳未満からの脳死下での臓器提供も可能となりました。
眼球以外の臓器のあっせんは、(公社)日本臓器移植ネットワークが皆さんに公正に移植が行われるように選定しています。さらに、国及び地方公共団体は、移植医療について国民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされています。
脳死とは
脳死とは、呼吸・循環機能の調節や意識の伝達など、生きていくために必要な働きを司る脳幹を含む、脳全体の機能が失われた状態です。事故や脳卒中などが原因で脳幹が機能しなくなると、二度と元に戻りません。脳死と診断されてから、しばらくは心臓が動いていますが、人工呼吸器や薬剤を使用しても通常数日以内に心臓が停止してしまいます。
脳死状態は、植物状態と混同されることがありますが、植物状態は、脳幹の機能が残っていて、自ら呼吸できる場合が多く、回復する可能性もあります。何年間も生存が可能であったり、症状に一部改善がみられたりすることがありますが、脳死状態の人は、延命措置をとっても数日程度しか生存できず、症状も改善することはありません。脳死と植物状態は、根本的に全く違うものなのです。